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Vol.872 戦国時代の供養塔「六地蔵塔」
昨日から引き続き地味な名所シリーズです。今日紹介する場所は六地蔵塔です。
九州には、戦国時代に戦死者の供養のために建てられたという六地蔵塔が多く建てられています。宮崎にも、2つの六地蔵塔があり、西都市三財にある河原田六地蔵塔と岩崎稲荷六地蔵塔です。
六地蔵塔というのは側面に6体の地蔵像が彫られているという石塔です。仏教では人間は六道(地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道)の六つの世界で生まれ変わると考えられています。その輪廻をする修生を救済するのが地蔵菩薩でそのためそれぞれの世界を救済するという意味で6つの地蔵が彫られているわけです。
六地蔵塔を建てることで戦死した人々の魂が救われることを祈ったんですね。昔の人々の信仰の厚さを感じます。
また、この六地蔵塔は場所によっても様々な種類があり長崎には33体や48体もの地蔵が彫られた六地蔵塔もあるようです。そうなるとすでに六地蔵塔とは呼べない気もしますが…。
宮崎の六地蔵塔はメジャーな6面の地蔵塔で、48体のようなパッと興味を引くような魅力はなくとも、両方とも歴史的・芸術的に価値がありそれぞれの味がある地蔵塔です。当時の職人のこだわりが伝わってきます。
華やかな観光地を巡るのもいいですが、このようなちょっとした建造物を巡るというのもなかなか通っぽくて良いのではないでしょうか。ちょっと趣向を変えて宮崎の観光を楽しんでみては?