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Vol. 795 日向新しき村

投稿者: | 2010年05月26日(水) 01:56:37

皆さんは木城町にある日向新しき村をご存じですか?決して新しい村が出来るという意味ではございませんのでご注意を!

日向新しき村は1918年(大正7年)に武者小路実篤が、人間が人間らしく生きるための理想郷を追い求め、宮崎県木城町の石河内地区に作りました。
1938年(昭和13年)にダムの建設により農地が水没することになったため、1939年(昭和14年)にその一部が、埼玉県入間郡毛呂山町に移転し、残りは日向新しき村として存続しています!つまりは、新しき村は埼玉県と宮崎県で共存していることになります。

日向新しき村へと進めていく途中に、新しき村を一望できる展望台があります。そこにある石碑に実篤の直筆で書かれた
「山と山とが賛嘆しあうように
星と星とが賛嘆しあうように
人間と人間とが賛嘆しあいたい」

という言葉があります。これは武者小路実篤が考えていた新しき村の理想です。
また、「新しき村の精神」として次のようなものがあげられています。

一、全世界の人間が天命を全うし各個人の内にすむ自我を完全に成長させることを理想とする。

一、その為に、自己を生かす為に他人の自我を害してはいけない。

一、その為に自己を正しく生かすようにする。自分の快楽、幸福、自由の為に他人の天命と正しき要求を害してはいけない。

一、全世界の人間が我等と同一の精神をもち、同一の生活方法をとる事で全世界の人間が同じく義務を果たせ、自由を楽しみ正しく生きられ、天命(個性もふくむ)を全うする道を歩くように心がける。

一、かくの如き生活をしようとするもの、かくの如き生活の可能を信じ全世界の人が實行する事を祈るもの、又は切に望むもの、それは新しき村の会員である、我等の兄弟姉妹である。

一、されば我等は国と国との争い、階級と階級との争いをせずに、正しき生活にすべての人が入る事で、入ろうとすることで、それ等の人が本当に協力する事で、我等の欲する世界が来ることを信じ、又その為に骨折るものである。

自分を犠牲にしてでも人と人とのつながりを大事にするようなことが書いていると感じました。社会人になって、さらに人との繋がりを学び、大切なものだと感じました。人との“繋がり”を「生活」の一部としている。そこの住人はどのような心の持ち主なのか、自然と興味が湧いてきました。機会があれば皆さんもぜひ行ってみませんか?

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