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Vol.791 ままこ滝の伝説
小林市の須木村に、ままこ滝とよばれる滝があるのですが皆さんはご存知でしょうか?
正規名称は須木の滝と呼ばれる滝で、とても雄大で美しい滝です。
なぜこの須木の滝がままこ滝と呼ばれるようになったのか、それにはとても悲しい話があったんです。
その昔、須木の滝の近くには若い木こりの夫婦が住んでいました。
二人の間には一人娘がおり、親子3人で幸せに暮らしていました。
そんなある日、この家族に不幸が訪れます、ある病を母親が患ってしまい帰らぬ人となってしまったのです。
父親はまだ幼い娘を育てていくには男で一人だと無理であると考え、やむなく新しく妻を迎えました。
しかし、この新しい母親は性格が悪く、娘のことを疎ましく感じ毎日父親がいない時をねらって娘を虐めるのです。
そして、娘が6歳になったある日、野良仕事を終えた娘と母親は滝の上にある岩の上に座って滝を見下ろしていました。
いつもは娘を憎む母親がその日だけはやさしく、「しらみでもとってやろうかね」と娘を膝に抱きよせたのです。
ただ、その優しさは母親の本当のやさしさではなく、恐ろしい計画のための演技だったのです。
娘はそうとも知らず、新しい母親から初めて受けたやさしさに嬉さを感じ母親の帯の端と自分の帯を結びつけ甘えていました。
そして、ころ合いを見計らって母親は力一杯に、娘を滝壺に突き落としたのです。
しかし、滝壺に落ちたのは帯が結ばれていたので娘と母親の二人でした。
その後、人々はこの滝をままこ(継子)滝と呼んだそうです。
今も昔も、命を軽く考える人間がいます。
死んでも償いきれないような大罪人もいますが、なんの罪もない人たちの命が今も奪われています。
特に、夏場なんかは、パチンコ店の駐車場の車の中に子供を置き去りにして死なせるという痛ましい事件があります。
この、継母から愛情を受けることなく殺されてしまった娘とパチンコ店の駐車場で亡くなって行った子供たちとは同じような部分がありますね。
この、ままこ滝の伝説をしって少しでもそういった悲しい事件が減ってくれればいいなと思いました。