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Vol.629 不完全の美学!「高鍋大師」
高鍋町には「高鍋大師」なる、隠れた(?)観光スポットが存在します。私も前々から噂に聞いており、「行きたい!」と思いながら、なかなか行けなかったわけですが、先日ついに足を踏み入れて参りました。
5世紀から6世紀にかけて築造された古墳が点在する、高鍋町の持田古墳群。その一角に、石仏群700体以上が鎮座する高鍋大師があります。細~い山道を通ってたどり着くと、まず目に入るのは、積み石が並んだ賽の河原。「おぉ、何と荘厳な雰囲気…」と思えば、いや、案外そうでもなかったり。そこに並んだ石像は、なんともユーモラスなのです。
角ばったフォルムに、愛嬌のある表情。観音像が建つ横には、なぜか水戸黄門や亀の親子、それにスーツ姿の男性のような像も建っています。しかも、そのどれもが決して上手いとは言えない出来栄えなんです(笑)
この作者は岩岡保吉さんという方で、古墳の霊を慰めるために建造したのだそう。石像に彫られた文字を読むと、80歳を越える高齢で作ったものもあるようです。これだけ巨大な石像を、この年齢で作るというのは相当なエネルギーを持った方だったんでしょうねぇ。
しかしそれにしても「笑っちゃ失礼なのかな」と思いつつも思わず噴き出してしまうような秀逸(私的に)な作品ばかり。ツボを刺激しまくるセンスに脱帽です。この、見る人をいつの間にか笑顔にさせている不思議なパワーこそが、高鍋大師の魅力なんでしょうね。