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Vol.595 涼しくない扇風機
右のような扇風機が茶畑の地表高くにあるのを見たことがありませんか?この扇風機、実はお茶の葉に涼しい風を送る為のものではなく、どちらかと言えば暖かい風を送っています。その理由は新芽を霜から守る為なのです。
霜は空気中に含まれている水蒸気が地表やその近くの物の表面で凍ってできる氷の結晶で、これは0℃以下になると起こり始めます。さらに、-2〜−3℃まで下がると新芽の組織や細胞が凍って枯れてしまい、新芽の生育時期によっては全く収穫できなくなることも珍しくないそうです。そこで役に立つのがこの扇風機になるのです。
昼間の気温は地表や地表に近いところで高く、地表から上に行くほど低くなります。しかし夜間は逆に、地表や地表近くが冷え込み、地表から高くなるほど気温が高くなります。この現象を「気温の逆転現象」と言います。晴れて、風のない夜は茶の木のある位置より6〜7m上になると5℃程度暖かく、その暖かい空気を扇風機を使って茶の木に送ることにより、晩霜から茶の木を守ってくれるのです。地表高くにあるのはそのためなんですね〜。この扇風機のことを防霜扇や防霜ファンと呼んでいます。
暖かい宮崎県に必要なの?と思いますが、お茶の名産地静岡もあまり冬場寒い気候ではないそうです。問題は気温差なんです。
この防霜ファンができるまでは、4〜5月の晩霜が予想される日はお茶生産農家は、前日の夕方から茶園に行きコモや寒冷紗等でお茶の木を被覆し、翌日には被覆をはずして晩霜を防いでいました。しかし今ではそのような作業も心配もしなくて済むのです!
人間はエアコンを使いますが、お茶は扇風機が最高なのです!皆さんもお茶に習って扇風機でecoしましょう!(笑)