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Vol.55 幸島の猿 -その不思議な生態-
新年あけましておめでとうございます!本年も雑学道コラムをどうぞよろしくお願い致します。今日は干支の申にちなんで、幸島の猿について触れることにします。
幸島の猿といえば、イモや麦を海水で洗い、味つけをして食べるというユニークな行動を取ることで全国的に知られていますよね。このような行動を取る猿が幸 島に初めて出現したのは1953年のことで、一匹の若い雌の猿だったそうです。それがやがて、その家族や親族の間で広まり、徐々に他の猿も真似するように なっていったのだといいます。本能にはない行動が、ある個体から他の個体に伝播していくという事例は、猿と人類にしか見られないのだそうですよ。幸島で 100匹目の猿がイモ洗いを覚えた時、全国各地で同時に同じような行動を取る猿が出現したという話も、謎に包まれていて大変興味深いですよね。この珍しい 文化猿を観察しようと、これまでにも世界中から多くの研究者が訪れており、今では幸島と幸島の猿たちは国の天然記念物にも指定されています。
自 分の住む宮崎に、世界的にも注目されている文化猿が生息しているというのは何だか不思議な感じもしますが、誇るべきことだと思います。地元の方々もこの猿 たちが安全に暮らせるよう日々見守っているようです。私たちも観光で訪れた際は、きちんとルールを守って観察したいものですね。